
家族信託で「贈与」と疑われるリスクと対策【司法書士解説】
- 家族信託の注意点・リスク対策
- 2026/9/3
- 2026/9/3
家族信託を始めても預金管理を誤ると「贈与」とみなされ課税リスクが生じます。税務署に指摘されないための対策を司法書士が解説。
はじめに:家族信託の裏に潜む「税務の落とし穴」
認知症対策としての「家族信託」への注目が急増しています。しかし、やり方を間違えると贈与として課税対象になるリスクがあります。
家族信託は有効な認知症対策ですが、運用の実態を誤ると「贈与」と判定され、想定外の課税を受けるリスクが生じます。本記事ではリスクと回避策を解説します。
そもそもなぜ「贈与」と見なされるのか
家族信託におけるリスク
家族信託では親の財産を子の管理財産へ移します。「誰の判断でどう動かしているか」が曖昧だと、実質的な所有権の移転と疑われます。
リスクが生じる3つの典型例
① 信託契約前の安易な資金移動
契約前に親の口座から子の口座へ現金を勝手に移すと、単なる「親から子への資金移動」とみなされ、高額な贈与税の対象になる恐れがあります。
② 受託者による私的流用やどんぶり勘定
受託者(子)が信託財産を自分の生活費と混同して使っている場合、税務調査で財産の混同・贈与とみなされる恐れがあります。
③ 形式だけの「名ばかり信託契約」
契約書だけ作成し、実際の預金口座は昔のまま親が自由に動かしている場合、信託そのものが否認されるリスクがあります。
リスクを回避する3つの対策
対策1:「信託口口座」の確実な開設
受託者個人の通帳ではなく、金融機関が認める「〇〇受託者 ××」という専用の信託口口座を利用します。財産の区別が客観的に証明できます。
対策2:お金の出入りの透明性を確保する
信託財産の支出(医療費や固定資産税など)は領収金を保管し、収支を記帳します。この透明性が税務調査を防ぐ盾となります。
対策3:生前贈与と家族信託を混同しない
家族信託は「管理と処分の権限を移す(利益は親のまま)」ものであり、財産が子のものになるわけではありません。法的性質を契約書に明確に示します。
まとめ
家族信託は認知症による資産凍結を防ぐ強力な手段ですが、運用を誤ると深刻なトラブルを招くリスクがあります。正確な仕組みづくりと運用管理が不可欠です。
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