
家族信託で空き家の売却と老後資金を確保する方法
- 家族信託の認知症対策
- 2025/7/2
- 2025/7/1
判断能力低下に備えた自宅売却と相続対策のための家族信託活用術
家族信託とは?空き家問題と老後資金対策に有効な理由
高齢化社会で増える「実家の空き家」問題とは
近年、日本では高齢者の単身世帯が増加し、親が老人ホームに入所したあと、実家が空き家となるケースが多発しています。このような空き家を放置すると、固定資産税や維持管理費が発生し、家族にとって負担になるだけでなく、資産価値の低下や近隣トラブルの原因にもなりかねません。そのため、空き家となる前に売却の方針を明確にし、計画的に対処することが重要です。特に、高齢の親の判断能力が低下する前に、家族信託などの仕組みを導入することが有効です。
成年後見制度との違いと家族信託の優位性
判断能力を失った場合の制度として「成年後見制度」がありますが、後見人は積極的な財産の運用ができず、裁判所の監督を受けるため、実家の売却や資金活用に柔軟性が欠けるという問題点があります。一方、家族信託は、信頼できる家族に財産管理を託し、裁判所の干渉を受けることなく、売却のタイミングや資金の使い方は契約の範囲内において自由で柔軟に行えることが特徴です。
信託契約による空き家のスムーズな売却方法
親の判断能力低下前に信託契約を結ぶメリット
実家を売却しようと考えても、親が認知症などで判断能力を失ってしまえば、本人名義での売却はできなくなります。その場合、成年後見制度を利用するしかなくなりますが、手続きや制約が多く、柔軟な資金活用が難しくなります。そこで有効なのが、親が元気なうちに家族信託契約を結んでおくことです。信託契約を締結すれば、親の判断能力が低下しても、受託者である子が不動産の売却をスムーズに進めることができます。
信託監督人を活用した安全な不動産売却の仕組み
信託契約の中に「信託監督人」を設定することで、受託者が勝手に不動産を売却したり、不適切な運用を行うことを防げます。たとえば、長男が受託者である場合に、次男が信託監督人として関与することで、売却の時期や価格が妥当であるかをチェックすることができ、受託者の勝手な判断を止めることも可能です。売却時には信託監督人の同意が必要となるため、親や子にとっても安心できる仕組みが整います。これにより、家族間の信頼関係を守りながら適切に財産を処分できます。
売却益の管理と老後資金・相続対策の実現方法
信託専用口座による資金管理と施設費用の支払い
家族信託で不動産を売却した後は、その売却代金を「信託専用口座」で管理します。この口座から、施設利用料や日々の生活費を引き落とししたり親の口座に送金することで、老後資金の流れを明確かつ計画的に管理できます。信託専用口座の名義は受託者であるため、仮に親が認知症になったとしても凍結することはなく、老後資金を安心安全に管理することができます。
余剰資金の投資活用による相続税対策と資産保全
売却後に残る多額の現金を単に保有するだけでは、相続時に多額の相続税が発生する可能性があります。そこで、信託契約に基づき、信託監督人の同意のもと、余剰資金を不動産などへ投資することで資産の有効活用を図ることができます。老後資金に影響を与えない範囲での運用により、節税と資産形成の両立が可能です。このように、家族信託は単なる売却の仕組みではなく、将来を見据えたトータルな資産戦略を実現できる制度といえます。
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