家族信託と任意後見制度の違いを徹底比較|後悔しない認知症と財産管理の対策法

家族信託と任意後見制度の違いを徹底比較|後悔しない認知症と財産管理の対策法

判断能力があるうちに備える!家族信託と任意後見制度の使い分けと併用法を解説

高齢化が進む日本社会において、「認知症になったら財産はどうなるの?」という不安を抱える方は年々増えています。
その対策として注目されているのが、「家族信託」と「任意後見制度」です。

しかし、制度の違いが分かりにくく、「どちらを選べばいいのか分からない」と悩む方も多いのが現実。この記事では、両制度の違いと特徴を5つの視点から徹底比較し、あなたの状況に合った最適な制度の選び方をご紹介します。

家族信託と任意後見制度とは?制度の基本を知ろう

家族信託とは?仕組みと役割の解説

家族信託は、自分が元気なうちに信頼できる家族(受託者)に財産の管理や処分を任せる制度です。契約を結んだ段階から効力が発生し、所有者が認知症になっても受託者が財産を管理し続けられるのが大きな特徴です。

任意後見制度とは?成年後見制度との違い

任意後見制度は、自分の判断能力がまだあるうちに、将来の財産管理を任せたい人(任意後見人)をあらかじめ契約で決めておく制度です。契約を結んだ段階では効力は発生せず、実際にスタートするのは、認知症などで判断能力が低下してからになります。

成年後見制度の後見人は、裁判所が適任と思う人物を選任するのに対し、任意後見制度の場合は、後見人になって欲しい人を本人が自由に選ぶことが可能です。

それぞれの制度のメリットとデメリット

  • 家族信託のメリット :裁判所の関与がなく柔軟な財産管理が実現できる
               財産取得者の指定が可能(遺言類似機能)
  • 家族信託のデメリット:身上監護ができない、契約書作成時の費用が高額
  • 任意後見のメリット :身上監護に対応、公的監督がある安心感
  • 任意後見のデメリット:裁判所の関与が必要、ランニングコストが発生

制度の違いを5つの視点で比較

制度発動のタイミングと準備のしやすさ

  • 家族信託:契約と同時に効力が発生。元気なうちから財産管理開始が可能。契約書を公正証書で作るかどうかは任意。
  • 任意後見:契約は元気なうちに結ぶが、効力が発生するのは判断能力が低下してから。契約書は公正証書で作成することが必要。

財産管理の自由度と柔軟性の差

  • 家族信託:受託者が契約に従って不動産売却・運用など柔軟に対応可能。
  • 任意後見:家庭裁判所の監督下で慎重な運用が求められる。

身上監護(医療・介護契約など)への対応力

  • 家族信託:財産管理に特化しており身上監護は不可。
  • 任意後見:医療や介護の契約・手配が可能。

裁判所の関与と第三者監督の有無

  • 家族信託:裁判所の関与なし。自由度が高い。
  • 任意後見:裁判所が監督人を選任。厳格さが求められ自由度はやや低め。

初期費用・ランニングコストの違い

比較項目

家族信託

任意後見制度

初期費用

50100万円

1030万円

継続費用

ほぼなし

26万円程度(監督人報酬)

どんな人にどの制度が向いているか?

家族信託が適している人の特徴

  • 財産管理の自由度を重視したい方(裁判所の関与を望まない)
  • 将来、不動産の売却が必要になる方
  • 財産を遺す相手を指定したい方
  • ランニングコストをかけたくない方

任意後見制度が向いている人の特徴

  • 医療や介護の契約を任せたい方
  • 公的機関(裁判所)の監督下での安心を重視する方

制度の併用が効果的なケースとは?

「財産管理は家族信託」「身上監護は任意後見」という形で、両方を組み合わせることで幅広く対応できるのが理想です。認知症への備えがより確実になります。

家族信託と任意後見制度の違いを徹底比較|後悔しない認知症と財産管理の対策法

手続きと費用の流れを理解しよう

家族信託の手続き方法と注意点

  1. 信託財産(金融資産や不動産)と信託関係者(受託者等)の決定
  2. 信託契約の設計(司法書士等の専門家に相談推奨)
  3. 公正証書の作成 or 私文書契約
  4. 不動産登記や金融機関手続きの実行

任意後見制度の手続き方法と注意点

  1. 任意後見人の選定と契約内容の設計
  2. 公証人役場での公正証書作成
  3. 判断能力低下後に家庭裁判所へ申し立て
  4. 任意後見監督人の選任と制度開始

両制度にかかる費用を徹底比較

  • 家族信託:初期費用が高めだが、長期的には低コスト
  • 任意後見:初期費用は抑えられるが、監督人等への報酬としてランニングコストがかかる
    長期的な運用が想定される場合は、トータルコストで比較することが大切です。

失敗しない制度選びのために知っておくべきこと

「家族に任せておけば安心」は誤解

認知症になると、たとえ家族でも銀行口座を使えなくなるリスクがあります。信頼している家族であっても、法的な準備(契約)をしておかないと対応できないのが現実です。

認知症発症後に後悔しないための準備とは

制度の多くは「判断能力があるうち」しか使えません。
発症後にできるのは「法定後見制度」だけ。自由な選択をしたいなら、早めの準備が絶対に必要です。

専門家への無料相談をうまく活用するコツ

法律や契約に不慣れな方こそ、専門家に相談を。
最近は、無料相談を受け付けている司法書士・行政書士事務所も多数あります。相談時には、財産の概要・希望の管理方法などを整理しておくと、スムーズです。

愛知家族信託相談所でも無料で初回のご相談を承っております。専任のコンサルタントが些細な疑問やご不安もお伺いしますので、お気軽にお問合わせくださいませ。

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