家族信託を始めるための完全ガイド:必要な手続きと注意点
- 家族信託の認知症対策
- 2024/10/4
- 2024/10/11
家族信託を始める前の準備
家族信託の信託契約書の作成方法
信託契約書は家族信託を開始する際の最も重要な書類です。
契約書には、信託の目的、信託財産の範囲、受託者(信託を管理する者)と受益者(信託から利益を得る者)、信託の運営方法などを明確に記載する必要があります。これにより、信託の運営がスムーズに行えるようにします。
契約書は法的な文書であり、誤りがあると信託の効力が無効になるだけでなく、かえってデメリットが発生してしまう可能性があります。したがって、契約書の作成には、専門家に依頼してよくご相談しながら作成することが重要です。
信託口座の開設手順
信託口座は、信託財産を受託者の個人資産とは区別して管理するために必要です。(信託には、分別管理義務があります)
信託口座は、信託財産の受け渡しや管理を明確にし、資産の混同を防ぐ役割を果たします。開設には、信託契約書(公正証書)、受託者の身分証明書などが必要です。
家族信託の信託口口座開設手続きは、司法書士などの専門家を通して依頼する必要があります。まず、専門家に信託契約の作成を依頼し、公正証書化して、金融機関のチェックを受けて、開設手続きを行います。
通常は、信託契約書の設計→文案作成→内容確認→公正証書の文案作成→金融機関の審査 という流れで進めていきます。詳細はご相談ください。
信託契約後に発生する手続き
信託帳簿の作成と管理
信託帳簿の作成は、信託契約後に受託者に課せられる重要な義務です。
帳簿には、信託財産の入出金記録や支出内容、領収書の保管など、信託の運営に関するすべての取引を詳細に記録する必要があります。これにより、信託の透明性が保たれ、将来的なトラブルを防ぐことができます。
帳簿は定期的に更新し、適切に保存することが求められます。受益者からの問い合わせに対応できるように、必要な書類や記録を整理しておくことが重要です。
受益者への報告と書類提出
受益者には、定期的に信託の運営状況を報告する必要があります。報告内容には、信託財産の現状、収支の状況、支出の詳細などが含まれます。報告のタイミングや形式は、信託契約書に基づいて行います。
また、家族信託の内容により、信託に関する計算書等は、税務署に提出する必要があります。この点はケースにより異なりますので、心配な点はご相談ください。
家族信託のデメリットと対応策
家族信託の主なデメリット
家族信託では、受託者が責任を持って、財産の管理を行っていく必要があります。家族信託で、名義は受託者となりますが、あくまで信託を受けている財産であるということをしっかり理解し、事前に信託の運営に関する十分な理解と準備が必要です。
また、家族信託を行うためには、委託者の判断能力が必要となります。病気や認知症で判断能力がなくなっている場合には、家族信託の契約を行うことはできません(家族信託の手続きを進める際に、委託者の本人確認を行い、確認ができてからスタートすることになります)。
認知症での財産凍結が心配で、家族信託をしたいというご相談を多くいただきますが、既に認知症が進行していて、家族信託の手続きを進めることができないというケースも多くあります。親の物忘れが出てきた、体調に不安が出てきた、という場合には、できる限り早めにご相談にお越しいただくことをおすすめします。
専門家への相談と併用制度の活用
家族信託を設計する際には、家族信託の実績が豊富な専門家にご相談ください。
当グループでは、家族信託のセカンドオピニオンもお受けしていますが、問題のある信託契約書を多く目にします。
さらに、家族信託だけではカバーしきれない問題もあるため、任意後見制度や遺言書など、他の制度を選択したり、併用を検討することが必要な場合もあります。
まずは、お気軽にご相談いただければ幸いです。ご連絡お待ちしております。
愛知で家族信託のご相談は愛知家族信託相談所へ
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