家族信託で遺言書の代用
- 2017/5/6
- 2018/10/2
遺言代用信託(家族信託)
家族信託で、遺言書の代わりになるような効果を発生させることができます。
遺言書の代用として、遺言書と同等またはそれ以上の効力を発生させることができます(遺言代用信託)。
遺言と同じように、相続発生後における相続分や遺贈先を指定することができるのです。
遺言代用信託は、認知症対策の家族信託に次いで、ご相談が多く、お客様からの需要・ニーズが多い手続きになります。
遺言代用信託はこんな方にオススメ
- 二次相続以降を承継したい方(次世代遺言)
- 家族の中に病気がち、高齢者、障害を持つ人、判断能力低下等により自ら財産管理できない方の生活・扶養・療養等のために財産を渡したい方
- 相続税対策を継続したいけど、認知症にならないか不安に感じている方
- 経営者の方で、そろそろ引退したいけど、どの従業員に引き継ごうかまだ迷っている方
次世代遺言で二次相続対策
特に、二次相続やそれ以降の財産承継を考えている方には、現時点ではこの家族信託での遺言代用以外に方法がなく、非常に有効な方法と言えるでしょう。
たとえば、
- 先妻との子どもがいるが、自分が死ぬまでは、後妻のために財産を使いたい。
ただ、後妻が他界した後は、先妻との子どもに財産を引き継いでいってもらいたい。 - 先祖代々の土地について、子どもの配偶者の家計に渡したくない。
自分の直系の子・孫に、財産を承継していってほしい。 - 妻や子どもに遺言書を書いてもらっても、撤回ができるので、撤回を制限して、最終的な自分の意思を遺したい。
このような場合には、家族信託を用いた遺言代用信託は非常に有効です。
一般の遺言書では、自分が遺言書を書いて、その先のことはその先に任せるしかありません。
しかし、家族信託の場合は、所有権ではなく受益権の形で財産を承継していくことになりますので、自らの意思を後世まで伝えていく次世代遺言を作成することができるのです。
遺言と家族信託の比較
生前に本人の意思を伝える手法として、遺言・死因贈与・家族信託(遺言代用信託)という手続きがあります。
それぞれの手続きを比較して、違いを把握しておきましょう。
遺言とは?
遺言者が死亡した時に、指定した人(特定の相続人や第三者)に、財産を承継させる仕組みです。
その方式により、公正証書遺言や、自筆証書遺言などがあります。
死因贈与とは?
両当時者間の合意によって、一方当事者の特定の財産を、その人の死亡を条件として、他方当事者に贈与する契約です。
贈与契約ではありますが、民法554条により、死因贈与は遺贈に準じるとされているので、撤回のルールや遺言等の競合のケースで、法的安定性に欠けることになります。
遺言代用信託とは?
“遺言”と同じく遺産の承継先を指定するが、「契約」により信託を設定する仕組みを“遺言に代わって用いられる信託”という意味で「遺言代用信託」といいます。
委託者が生存中の当初は、自らを受益者として信託契約の効力を発生させた上で、委託者が死亡した時に、指定した者(特定の相続人や第三者)に、信託の受益権を承継させる仕組みです。
遺言と家族信託の比較まとめ表
遺言 | 死因贈与 | 遺言代用信託 | |
形式 | 公正証書または自筆証書 | 贈与契約 | 信託契約 |
実行者 | なし(任意で遺言執行者) | 受贈者 | 受託者 |
変更 | いつでも撤回可能 | いつでも撤回可能 | 受託者と受益者の合意が必要(制限も可能) |
死亡 | 指定者へ承継 | 指定者へ承継 | 指定者が受益権を引き継ぐ (信託は終了しない) |
財産 | 本人(死亡時に移転) | 本人(死亡時に移転) | 受益者(実質的な権利) |
根拠法律 | 民法 | 民法 | 信託法 |
遺言のメリット・デメリット
遺言のメリット・デメリットは撤回可能であること
遺言代用信託のメリット・デメリット
遺言代用信託(家族信託)のメリット・デメリットは、柔軟な対応が可能であること。
詳細については、名古屋家族信託相談センターまでお気軽にご相談ください。
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